2009年12月5日土曜日

マイクロソフト、15歳から39歳の男女を対象とした就労支援プログラムを発表

マイクロソフトは2009年12月4日、15歳から39歳の年齢層の就職を支援する「ITを活用した若者就労支援プログラム」を発表した。若者の就職を支援する政府事業「地域若者サポートステーション」を受託するNPO法人と連携し、就職しておらず学校にも通っていない、いわゆるニートの状態にある男女を対象に、ITスキル講習を無償提供する。活動期間は2010年1月から2011年12月末までの2年間で、想定受講者数は6000人。受講者の 30%の就職・進学を実現することが目標だ。

 15歳から39歳を対象とした就労支援活動を実施する背景について、マイクロソフト 執行役 法務・政策企画統括本部長の伊藤ゆみ子氏(写真の右端)は、「完全失業率が過去最悪を更新した2009年7月の数字を見ると、全体の失業率が5.7%だったのに対して、15歳から39歳の失業率は9.9%にもおよんだ。特に若年層の雇用情勢悪化が著しく、就労のための支援を必要としている」と説明した。

 同プログラムでは、「Word/Excel/PowerPointを活用した文章作成」、「Accessを活用したデータ管理」、「Webサイト構築」の3段階のITスキル講習を提供する。米マイクロソフトで社会貢献活動の責任者を務めるパメラ・パスマン氏(米マイクロソフトコーポレートバイスプレジデントグローバルコーポレートアフェアーズ担当、写真の左から3人目)は、同プログラムの目的を「21世紀の職場に求められるITスキルを、21世紀の社会を支える若者にそなえてもらうこと」と説明した。また、マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長(写真の左から2人目)は、「ITスキルの習得が直接雇用に結びつくわけではないが、まずパソコンが使えなければ履歴書を作成することもできない。ITスキルを身につけることが、就業のチャンスを広げる」と述べた。

 これらのITスキル講座は、マイクロソフトと政府事業「地域若者サポートステーション」を受託するNPO法人が協力して展開する。マイクロソフトの役割は、プログラムの運営資金提供、ソフトウエアの無償提供など。そのほかにも、NPO法人の職員に対して、ITスキル講習の講師を育成するための研修や、プログラム運営のためのマネジメント・スキル研修を提供するという。

 「地域若者サポートステーション」を受託するNPO法人の1つである育て上げネットの工藤啓理事長(写真の左端)は、「同プログラムでは受講者の 30%の就職・進学達成を目標としているが、これまでの我々の活動ではこの数値が達成できていない。その一因は、NPO法人に数値目標を達成するための経営ノウハウがないためだ。今回のマイクロソフトとの連携は、NPO法人にとって目標達成のためのマネジメント・スキルを習得するよい機会となる」と述べた。

ウーマンアイ 主婦の年金 夫の失業に保険料追い打ち

不況でサラリーマンの夫が失業や非正規労働に追い込まれた結果、それまで払わなくてよかった自分の年金保険料の支払いを求められる主婦らが増え、「負担が重い」と切実な声が上がっている。公的年金の「第3号被保険者」資格を失った人たちだ。

 3号はもともと、専業主婦が確実に年金をもらえるようにと導入されたが、不況下で資格を失った主婦らは、家計の収入減に加え新たな保険料負担という「追い打ち」に直面。年金制度が抱えるゆがみの一端が浮き彫りになった形だ。

 年金の被保険者は3通りで、1号は国民年金に加入する本人。2号は厚生年金や共済年金に加入する会社員や公務員本人。2号に扶養される専業主婦(夫)が3号だ。

 3号制度は1986年に始まり、自分で保険料を払わなくても、将来基礎年金を受給できる。だが夫が2号でなくなると妻も資格を失い、夫婦ともに国民年金に加入を求められる。

 小学校入学前の男の子が3人いる神戸市の主婦(40)の夫(43)は2007年に失業した。すぐに契約社員の仕事を見つけたが、厚生年金はなし。夫と自分のパートを合わせた約27万円の月収の半分は住宅ローンに消え、残りで生活するのがぎりぎりだ。2人分の国民年金保険料、月2万9320円は痛い。それでも将来が心配で08年度分の保険料は貯金を取り崩し、無理して一括納付した。が、09年4月からは払えていない。

 「保険料の減免制度は知っているが、将来の年金が減ると思うと、手続きに行く気になれなくて」。かといって「もし今保険料を払ったら、とてもじゃないけど暮らしていけない」。

 大阪府の主婦(36)も夫(36)が08年末に失業し、1号に。運送のアルバイトで夫が得る月収は13万~17万円と不安定だ。1歳の子どももおり、生活は苦しい。「なれるものなら3号に戻りたい」

 社会保険庁によると、3号被保険者は08年度末現在、1044万人いるが、年々減っている。晩婚化や働く女性の増加が主な原因だが「非正規労働で厚生年金に入れない夫が増えていることも要因の一つ」(同庁)という。

 女性の年金に詳しいお茶の水女子大の袖井孝子名誉教授は「世の中全体が苦しくなる中で、サラリーマンの夫に扶養される妻だけを優遇する3号制度は不公平。配偶者控除の廃止などとともに見直す時期だ」と指摘。

 民主党は政権公約に、職業ごとに分立した制度を一本化する「年金一元化」を盛り込んでおり、次の制度改正では、3号制度そのものがなくなる可能性もある。

 

 

◎立場により賛否に差

 年金の第3号被保険者制度を、女性たちはどう考えているのか。インターネットのコミュニティーサイト企画を手掛けるデジタルブティック(東京)が09年8月、ネット上で母親ら953人の意見を聞いたところ、当事者である3号の女性は88%が「制度に賛成」としたが、国民年金加入の1号では賛成が51%、厚生年金に加入する会社員など2号は同47%と、立場によって賛成の率が違った。

 賛成理由(複数回答)で多かったのは「専業主婦の生き方が不利にならないために必要」のほか「内助の功の評価」「子育てで働けない」など。

 反対理由では「不公平」が最多で、「一定の収入以上働くことができない」が続いた。

雇用失業情勢:新規求人数、24カ月連続減少--10月・香川労働局 /香川


香川労働局は27日、県内の雇用失業情勢(10月分)を発表した。有効求人倍率は前月から0・01ポイント上昇して0・63倍。福井県と並んで全国1位だったものの、新規求人数は24カ月連続で減少した。同局は「雇用失業情勢は厳しさを増している」と慎重だ。

同局職業安定課によると、県内の有効求人倍率は今年4月から7カ月連続で全国トップ。この2カ月は全国平均と同様に前月から上昇している。一方で、新規求人数は、大型量販店の開店で小売業が増加したが、サービス業が労働者派遣事業所からの人材需要減などで昨年同月比48・7%減(1010人減)と大幅に減少し、全体でみると回復には至っていない。


完全失業率:5.1% 3カ月連続改善 10月
完全失業者数と失業率、有効求人倍率の推移

総務省が27日公表した労働力調査(速報値)によると、10月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.2ポイント低い5.1%となり、3カ月連続で改善した。過去最悪だった7月の5.7%からは0.6ポイント改善。厚生労働省が同日発表した10月の有効求人倍率は0.44倍で、前月を0.01ポイント上回った。有効求人倍率の改善は2カ月連続で、過去最低だった8月より0.02ポイント高くなった。

長妻昭厚労相は同日の記者会見で「依然として厳しい状況に変わりない」との見方を示し、雇用調整助成金の支給要件を12月から緩和する方針を表明した。年末の失業者増を抑えるのが狙いで、直近3カ月の生産量や売上高が前々年同期比で10%以上減少した中小企業を助成対象とすることを検討している。

自動車や機械関連の雇用が持ち直していることが失業率、求人倍率の改善要因とみられるが、不況が深刻化した昨年秋以前よりは悪い水準のままだ。円高で輸出関連の冷え込みも予想され、本格的な改善には時間がかかるとの見方が根強い。

10月登録分の求人・求職者でみた新規求人倍率(季節調整値)は0.78倍で前月比0.01ポイント減。10月の完全失業者数は344万人で前年同月比89万人増加した。

米議会のFRB叩きが激化 高失業率、大型救済…世論の怒りを転嫁?

2009.12.3 21:13
米連邦準備制度理事会のバーナンキ議長(ロイター)米連邦準備制度理事会のバーナンキ議長(ロイター)

 米議会で米連邦準備制度理事会(FRB)の権限縮小や管理強化を図る法案提出が相次いでいる。ウォール街の大型救済や失業率上昇に対する国民の怒りを「FRBに転嫁しよう」という空気の表れとの見方が強い。来年1月に任期切れを迎えるバーナンキFRB議長は3日、自らの再任に関する上院公聴会で証言するが、厳しい追及を浴びそうだ。

 オバマ政権の進める金融規制改革をめぐり、FRBの役割や権限の見直しは最大の焦点のひとつとなっている。金融システムに影響を与える大規模金融機関の監督権限をFRBに一元化させたい米政府だが、最近の議会の動きは逆行している。

 象徴的な例が、下院金融サービス委員会で先月可決された、FRBに対する監査強化法案だ。自由主義者でFRB自体の廃止を唱えるポール議員(共和)は、政府監査院(GAO)の対象に政策金利を決定する金融政策も対象に加える案を提唱し、これに民主党議員も賛成に回った。

 FRBの権限縮小に向かう動きに対して、元FRB金融政策局長のビンセント・ラインハート氏は「FRBの金融政策決定を批判できる安易な仕組みをつくろうというもの」と批判。中央銀行の独立性を侵害する危険性を指摘する。

 上院でも先月、ドッド銀行委員会委員長(民主)がFRBから銀行監督権限を取り上げて、新設の金融監督機関に移す法案を提案した。ドッド氏は、FRBの監督行政の「大失敗」が金融危機を招いたと厳しく批判し、「金融政策に専念すべきだ」と訴える。

 民主・共和両党が対立する議会で、FRBたたきに限って超党派の動きが活発になっている背景には、保険大手のAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)への緊急支援など、金融機関への大型救済に対する国民の怒りがある。

 FRBによる市場への大量資金供給といった金融緩和策は、金融市場の大混乱を沈静化することには成功した。ただ、ウォール街に巨額の税金を投入しながら、失業率が26年ぶりに10%を突破するなど、経済は明快な好転の兆しをみせていない。「(FRBは)経済へのいらだちと一体となった議会のスケープゴートになっている」(米紙ワシントン・ポスト)格好だ。

 バーナンキ議長は3日、上院銀行委員会の公聴会で証言。自身の再任の是非に加えて、FRBのあるべき姿について重大な局面に立たされる。先月末、議長はワシントン・ポストに寄稿し「金融を安定させ、インフレのない経済回復を促進するためには、FRBの力を弱めるのではなく、保持しなければならない」と訴えた。

米金融・債券市場展望=レンジ内推移か、失業保険申請件数やISM指数に注目

 [ニューヨーク 2日 ロイター] 3日の米国債相場では、週間新規失業保険申請件数や来週の国債入札予定、ISM非製造業景気指数が注目材料となりそうだ。一方、4日の雇用統計発表を控えて相場はレンジ内で推移するとみられている。

 ISM非製造業景気指数については、投資家は新規受注指数のほか、特に雇用指数に着目しそうだ。

 MFグローバルのシニアバイスプレジデント、ドン・ゲイラント氏は「10年債利回りは、リーマン危機前に3.5%を下回り、リーマン破綻(はたん)で2.10%に低下。その後は3.90%まで戻り、現在は3.20%から3.60%の間で取引されている。このレンジから抜けるとは予想していない」と述べた。

 3日には、来週行われる3年債、10年債、30年債入札の条件が発表される。これを受け、新発債が魅力的なものとなるよう、相場はやや下落する可能性がある、と同氏は指摘する。

 持ち高調整や年末を控えた利益確定に伴い、市場参加者は様子見姿勢に移りつつある。

 30年債利回りは、11月12日の4.47%から同30日には4.18%まで低下した。

 ジェフェリーズのストラテジスト、ジョン・スピネロ氏は「10月2日の3.89%から11月12日の4.475%までの上昇に対する50%の戻りがあった」と指摘。一方、来週の入札に向けて、30年債利回りで4.35%─4.40%が主要な支持帯になる見通し。

 経済指標では、11月28日までの1週間の新規失業保険申請件数は48万件と、前週の46万6000件を上回る見通し。11月のISM非製造業景況指数は51.5と、前月の50.6からやや改善し、景気の緩やかな拡大を示すとみられる。  11月の雇用統計は、非農業部門就業者数が13万人減と前月の19万人減から減少幅が縮小、失業率は前月と同じ10.2%と見込まれている。

ドイツ連銀、2010年の独成長率は1.6%と予測

 [フランクフルト 4日 ロイター] ドイツ連邦銀行は4日、ドイツの景気回復は今後2年間続くが、失業率は2007年以降で最高の水準に達するとの見通しを示した。

 年2回の経済予測を発表した。

 2010年の成長率は1.6%、2011年は主に統計上の理由から1.2%に減速すると予想している。

 今年は4.9%のマイナス成長となるとみており、6月予測のマイナス6.2%から上方修正された。

 失業者数については、企業はこれまで労働時間の短縮で大規模な雇用削減を避けてきたため、今後は増える公算が大きいとの見方を示した。

 2010年の失業者数は今年の340万人から380万人に、2011年には420万人に増加する見込み。失業率は今年の7.8%から、2011年には2007年1月以来の高水準の10.1%に上昇すると予想している。

ワンストップ・サービス:試行 ハローワークプラザ大宮、失業者77人が相談 /埼玉

◇「複数の悩み」多数

 失業した人の雇用や住宅、生活支援の相談を一つの窓口で行う「ワンストップ・サービス」が30日に全国77カ所で一斉に試行され、さいたま市大宮区のハローワークプラザ大宮でも行われた。

 埼玉労働局の職員のほか、弁護士や社会福祉士、市町村の福祉担当職員など20人以上が各ブースに分かれて待機。77人が相談に訪れ、予備面談を受けた後、多重債務や生活保護、家賃滞納など相談したい内容ごとにブースに案内された。

 相談者には、職を失ったため借金をして健康保険料を払えず病院に行けないなど、複数の悩みを持つ人が多数いた。弁護士のブースに訪れた元派遣社員の30代の男性は「今は仕事もなく失業保険も切れた。消費者金融の借金もあり苦しんでいる」と話していた。